
石見が誇る郷土芸能・石見神楽。神をたたえる神秘な舞いに酔いしれよ。

石見神楽とは…
石見地方に伝わる郷土芸能・石見神楽。室町時代からの伝統を誇る里神楽で、神も一緒に楽しむと云われる神人和楽です。人々は米の収穫が終わると五穀豊穣に感謝し、禅座に神を招いて酒や食をともにし、石見神楽の舞いを奉納してきました。
現在、多くの郷土芸能が廃れていく中、石見神楽は例祭への奉納だけでなく、祭事や祝事の場、観光の場でも上演されています。そして社中はもちろん、子供や若者たちのグループ活動など様々なシチュエーションで輪を広げ続けています。伝統を重んじながらも、柔軟な進化を遂げてきたからこそ、今も絶大な人気を誇っています。もしかしたら、子供たちの目には華やかなヒーローショーのように写っているのかもしれません。

石見神楽を見える人々…

本来、奉納するための石見神楽は社中によって行なわれてきました。社中とは、先人より学び継いだ人々の集まりで、母体神社への奉納をはじめ、継承の維持や後継者育成などを基盤に活動しているグループです。石見神楽には、優雄な六調子と非常に激しい八調子があります。社中ごとに守り伝えられた調子や舞いこそが各社中の個性なのです。そんな彼らが広く伝統を伝えるために行なってきた紳楽や活動が現在の石見神楽の伝統維持に大きく貢献しています。そして、舞い手が表舞台とすれば、裏方なしで舞台は語れません。
まずは、石見神楽面の名工の一人『柿田勝郎面工房』の柿田さん。若い頃に脱サラし“面”の世界に飛び込みました。それからおよそ40年。作り出した面は千数百個を超え、匠と呼ばれる腕は健在です。今では後継者となる息子さんと面作りりに取り組んでいます。
次に『植田蛇胴製作所』の植田さん。石見神楽で使う大蛇の胴体の部分を蛇胴(じやどう)と呼ぶのですが、『植田蛇胴製作所はこの蛇胴を作り続けて120年以上の老舗です。今でも年間約80体もの蛇胴を作っているそうです。
こうした“舞い手”と“作り手”が今日の石見神楽の伝統を支えています。神楽を見るだけでなく、こうした工房見学もオススメです。
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| 植田蛇胴製作所 浜田市熱田町1319-2 TEL.0855-27-0540 見学時間10:00~15:00(不定休) |
柿田勝郎面工房 浜日市熱田町636-60 TEL0855-27-1731 見学時間9:00~18:30(水曜定休) |
実は石見神楽には、三十余もの演目があります。奉納の儀式には、社中が夜9時頃から翌朝7時頃まで演じるのです。演目の中でも代表的な花形演目が『大蛇(おろち)』です。石見神楽を見たことのない人でも一度は耳にしたことがある「須佐之男命(スサノオのミコト)」の「八岐大蛇(やまたのおろち)」退治の神話を題材とした舞いで、迫力ある格闘場面は圧巻です。猛々しいスサノオが巨大な大蛇を退治する舞いは、演じる者も観客も一瞬で心を奪われるほど雄大で美しいのです。
しかし、奉納をすべて見ることはとても困難な上『大蛇』が演じられるのは、およそ午前3~4時頃なので、観光客の方々はなかなか見ることができません。そこで、企画されたのが『石見の夜神楽 毎日公演(※)』です。およそ1時間の中に神楽の醍醐味を詰め込んだ公演が期間中の平日を含み石見地方のあちこちで開催されています。芸術の秋、神々が息づく神楽の舞いに酔いしれてはいかがでしょう。

※取材は平成21年に行ないました。現在の公演情報は下記サイトにてご確認ください。
取材協力
石見観光振興協議会 島根県西部県民センター商工労政事務所 島根県浜田市片庭町254 TEL.0855-29-5647
なつかしの国石見」観光キャンペーン「ALLいわみ」http://www.all-iwami.com/
※技あり山陰!歴史・伝統の旅シリーズは、一畑高速バス車内誌「Suki」に掲載された情報を元に再編集したものです。記事は2009年10月発行時の内容ですのでご了承ください 。











