管理人が行くシリーズ

 姫逃池の伝説

〈その1〉
長者原には、昔、億万長者が住んでいた。長者には「お雪」という可憐な姫がいました。姫にはひそかに恋心を抱いていた長者の家来の若者がいました。しかし、身分の違いからあきらめかけていた・・・、そんな頃、隣村の長者から求婚があり、父親のすすめもあり、嫁ぐことにしました。しかし、長者の息子には惹かれることもなく、嫌いになるばかりでした。自分の本当の気持ちを父上に打ち明けられない悲しいもどかしさ、、、お雪は思い悩みました。 婚礼が明日に迫った夜、江川から立ちのぼる深い霧が長者原を包みました。お雪は屋敷を抜け出し、近くのこの池に身を沈めてしまった。
翌日、長者の家来たちはお雪を探したまわった挙句の果 て、池のほとりの大きな岩の前に来ました。霧にかすむ池を見て、不吉な思いにうたれた家来の一人が、「刀でこの岩が切れたら姫が池に沈んで、切れなかったら姫はどこかに身を隠しているに違いない」と言い、大岩に向かって刀を振り下ろしました。すると刀で切れるはずもない大岩がきれいに切れてしまいました。
父親は娘の死を嘆き、また娘を理解してやれなかった自分を大層悔んだんでしょう。

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〈その2〉
長者原に住む長者に美しい姫がいました。その家の用心棒として養っていた野武士が姫に邪恋をよせたが、姫には許婚者があったのでこれを拒みました。 広い長者原に霧深い夜が迫って来た、野武士は自分の思いを受け入れてくれない姫を切って一緒に死のうと、刀をしのばせ姫の部屋に押し入った。姫は驚き、助けを求めながら深い霧の中へ逃げました。暗くひんやりした長者原の中、武士も追いかけていった。姫はこの池まで逃れたが、切りかってきた野武士から逃れるため、この池に身を投げてしまった。

〈その3〉
長者原に住む長者に美しい姫がいました。そのころ三瓶を根城とする凶悪な山賊の首領が姫に邪恋をよせた。しかし姫には親の許した許婚者があった。とある夜、許婚者は姫に邪恋を寄せている山賊の事を知って、姫の制止をふりきって、一人で賊の山塞へ乗り込んでしまいました。姫は涙ながら見送りました。 その夜は霧が深い、底冷えの夜でした。やがて長者原に朝がやってきたが、青年は帰ってこなかった。姫は激しい胸騒ぎを覚えたが一人で静かに青年の帰りを待つことにし、毎夜姫は長者原に立って待ちつづけた。江川 からの霧が深くたれ込み、底冷えの夜がやってきました。姫はいつものように青年を待っていました。するとどこからともなく姫を呼ぶ青年の声が聞こえました。姫は喜んであたりを見回したが、ただ深い霧があるのみであった。姫は必死になって原をさがした。すると池の中に、りりしい青年の姿があらわれ姫を呼びかけていた。姫は夢中で青年に駆け寄り、水中深く入って行った。霧は一層深くたれ込めて池はすっかり隠してしまった。

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いずれも悲しい姫の話ばかりですが、他にありましたらご連絡ください。

 三瓶山の西のふもと浮布池うきぬ ののいけ)、こちらにも伝説があるので紹介します。

  いつの頃からかは判らないが、この池のほとりに美しい姫、爾幣姫(にべひめ)が住んでいました。浮布池の主は大蛇(おろち)といわれ、品のよい貴公子に変じた主は老松の間からかぜのように現れては姿を消し、いつしか姫の心をとりこにしてしまい姫は次第に主に魅せられていった ・・・。
 ある日このふもとを訪れた武士が美しい姫の顔に凍りつくような死相と蛇性の区相を感じとった。日が暮れて池のほとりの草むらに若者に変じた妖怪(あやかし)と恋を語りあっている姫を見て哀れを覚えた武士は、強弓で池の主を仕留めました。もがき苦しんだ大蛇は池に飛び込みそのまま姿を現さなかった。しかし、姫は「例え恐ろしいおろちでも」と嘆き悲しんだ姫は後を追うように池に飛び込み、身にまとっていた白い衣だけが湖面 に浮かび上がっていたという・・・。
 その後ののちに、爾幣姫を祀った爾幣姫神社の中の島には、毎年7月15日の明け方前、池の北岸から中の島に向かい巾2メートルの白布を敷いたような道が通 じる。そしてこれが浮布池(うきぬののいけ)の名称の由来といわれ、蛇性の美少年が爾幣姫のもとへと通 った道だと伝えられています。

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残念ながら中の島にある爾幣姫を祀った爾幣姫神社は、現在、鳥居しか見えない。

浮布池
祭り

 浮布池
にまつわる伝説の爾幣姫(にべひめ)をまつった神社の例祭。絹を流しながら数隻の舟で湖面 を神幸する。(7月15日 )


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